O邸 2世帯住宅の外構リフォーム

限りある空間だからこそできる凝縮された居心地の良い庭をデザインする


O様ご夫妻は、リフォーム前のお庭でバラや木々を植栽され、ガーデニングを楽しまれていらっしゃいました。

今回のご要望は、お庭の一部に車一台分の駐車場を増設する事。親世帯と子世帯それぞれに、玄関へのアプローチとエントランスを設ける事。既存の植栽はナツツバキ、ミカンの木とワビスケを残し、他に果樹の鉢物や多数の小盆栽の置き場所を確保することでした。

 また、2階バルコニー下のタイルテラスでは、ご家族皆さんが集まって賑やかにバーベキューを楽しんだり、日常的にこの場所を活用されているお話を伺いました。

 駐車場の増設によりお庭のスペースが小さくなりますが、それを感じさせない工夫と、タイルテラスでくつろいでいただける居心地の良い空間を演出する事。そして、これまでと同じように、ガーデニングを楽しんでいただけるスペースを随所に設ける事を課題としてプランニングに取り組みました。

全景

2か所のエントランスは、一体感を持たせつつも、それぞれの存在を感じられるよう壁の構成を考えました。

アプローチの形状は、お庭に広がり感を持たせるデザインに。

ミカンの木(アプローチ左側)は日照条件の良い場所に移植。

常緑で力強く門袖との重量バランスもgood!

デザイン的にもいい場所です。

お庭を包み込むようなアプローチデザイン。

玄関とお庭に繋がります。

内から外へと、景色が自然に移り変わる空間デザインを心がけています。

車の動線にもなるアプローチは、硬質なジャワ鉄平を採用しました。

門壁のアクセントに使用した存在感のある石材は、使い方を変えて子世帯側にも採用。

2世帯分の外構を、それぞれの個性を表現しつつ一体となるようデザインに努めました。

タイルテラス際にあったシンボルツリーのナツツバキは場所を変え、これまでと同じように緑陰をテラスに落とし涼しさを演出してくれています。新たにアズキナシやツリバナを植栽させていただきました。

スクリーン壁の内と外で日照条件が異なるため、いろいろな植物を楽しむことができます。

早速、お手持ちの下草を植えてくださいました。バラと壁素材の相性が良くとても素敵です!

高木を植えると、視線が上に向かい空間が広く感じられます。

壁間のスリットは、植物の通気や光線を確保する役割もありますが、壁外(駐車場側)の下草を内(庭側)から垣間見られることで視線に広がりが与えられます。

雑木に囲まれたテラスは、お庭を眺めるベストポジション。

雑木の庭

雑木や草花に囲まれたタイルテラスは、木漏れ日が心地よく感じられます。

飛び石は動線を確保するとともに両脇の植栽と伴って、その空間に奥行き感を与えつつ、立水栓への動線にもなっています。一つの空間を飛び石により分けることで、草花も植えやすく管理しやすくなります。

また、景石を据えるとお庭に立体感が生まれ、下草も生き生きと感じられます。

砂岩ピンコロのアプローチデザイン

子世帯側の玄関位置は道路と近く、その距離感を視覚的に緩和できるよう、砂岩のピンコロで動きのあるデザインに。

ジャワ鉄平石のアプローチデザイン

お庭を柔らく包み込むようなデザインにしました。

鉄平石の園路

こちらは小盆栽や果樹のエリアです。
小盆栽の置き場はお手持ちの大谷石を再利用させていただきました。
果樹園との間に、お手入れ用として動線を確保しました。



後記
O様ご夫妻は、長きにわたり植物を愛し、お庭を育んでいらっしゃいます。
はじめてお庭を持たれた時代からのお話は、とても興味深く勉強になることばかりでした。

リフォーム後は、お庭の面積は縮小しまたが、つるバラやブラックベリーなど立体的に仕立て、随所に草花を植えてお庭づくりを楽しんでいらっしゃいます。キャリアに勝るもの無しですね。


栃木県宇都宮市 O邸

外構施工    秋澤栄佑商店

造園施工    川出造園

デザイン・設計 OTONOHA

OTONOHA

OTONOHAは、庭と外構のデザイン室です。 機能と美しさの中に付加価値を兼ね備えたガーデンデザインを追求しています。 住み手のライフスタイル、その場の環境、建築とのバランス等を吟味し、 どのような条件でも、必ずその場所でしかできないエクステリアデザインを創造し、提案いたします。 日々の暮らしを大切にする想いを共有し、 お庭づくりを一緒に進めさせていただければ幸いです。

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